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ケツァールの時々日記

米寿の母が胃癌になった!治った!の話から始めましょう

退き際(ひきぎわ)って難しい 母を見て考える

60年近いキャリア

 母は60年近く華道を趣味にしている。今もわずか3人ではあるが教えている。

本人は90歳になったら、教えるのは辞めると言っていた。

私は自力で会場を往復できなくなった時が潮時だと思っていた。

80歳で大腿骨骨折した後は、復帰して最初の頃は会場まで私が車で送迎したが、そのうち公共交通機関を利用できるようになった。今は雨や雪の日に送迎するだけだ。 たまにはタクシーを利用するが、高いお金を払った上に、ドライバーにお愛想を言わなくてはならないのが億劫だそうだ。(私も同感)

 

認知力低下は想定外だった。

2~3年前から、月3回のお稽古日を、勘違いか忘れるかで、呼び出しがかかって慌てて行くとか、稽古日でない時に行ってしまうとかがあった。カレンダーにメモしてあるスケジュールを何気にチェックするようにはしていたが、なにせ私も約束を忘れてすっぽかす事があるような人間なので(笑)どうしても抜ける。

そして、技術的にも下手になってきたと自覚するようになったらしい。

 

会場(花屋)閉店

胃癌の手術後、認知力の低下が加速した感があったので、どうしたものかなあと思っていたところ、長年借りていた会場(花屋)が昨年夏閉店する事になり、私は丁度良い潮時だと思った。お弟子さんのひとりはこれを機会に辞めた。

ところが、本人はそうは思っていなかった。お弟子さんも長年の付き合いで、今更別の先生に付きたくないと言う人が多かった。きちんと続けたいと思っている人もいたのに、今更~と言うお弟子さんの言葉が嬉しかったのだと思う。

お弟子さんの紹介で場所を借りたが、一時的な所だった。それでも、場所代とか、月謝とか、お稽古の回数とか、どうなっているの?と色々聞くと怒り出す。

月謝をいただいて教えている責任をどう考えているのか、理解できなかった。

母は終戦直後結婚前何ヶ月か地元の農協で働いた事を「働いた!働いた!」と折に触れ主張していたが、社会経験のなさは否めない。

加えて認知力低下による頑固さ!

そのうちその会場も使えなくなる事がわかった為、

「潮時では?早く先生を紹介して、引き継いだら?」

と話した。姉も同じように話したので、本人は意気消沈したようで、少々心配になった。華道自体は勉強会や仲間との集まりは継続しているので、外出機会はある。でも教えなくなるのは、張り合いがなくなるようだった。4月始まりのカルチャーセンターのチラシを熱心に読んだり(え!新しいカルチャーを始める気?)していた。

先生を紹介した

3月から新しい先生に引き継ぐはずだった。

2月にきちんと続けたいお弟子さんを引き合わせた。

今更~のお弟子さんには「勧めたのだけどね」と母は言っていた。

私は2月の最後のお稽古から帰った母に、

「お疲れ様」

と声を掛けた。

なんと、最後ではなかった!

「会場がまだ使えるので、3月から新しい先生に引き継いだきちんと続けたいお弟子さんには内緒で、今更~のお弟子さんにはお稽古をする」と言う。そして、

「会場が使えなくなったら、自宅で月一回お稽古をしたい」と言う。

「(私が)嫌なら、その時間いなければいいじゃないか」と言う。

ショックだった。

長年付き合いのあるお弟子さんに対する不公平さ、不誠実さより、お華の先生を続けたい気持ちが勝ったという事。

それだけ認知力が低下しているという事。

良識、常識がなくなっている事。

 

何かから格好良く引退するって難しい。

家事からは早々と引退したのにね(笑)

同じ年で、夫の介護、妻、主婦の現役の人もたくさんいるのにな。

もちろん逆の人もたくさんいるけど。

自分の親にはいつまでもしっかりしていてほしい。尊敬できる存在でいてほしい。

身内の事だと客観的になれない。

 

長い文章にお付き合いいただきありがとうございました

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